コロナ禍で増える心理的瑕疵物件

皆さんは、このコロナ禍でますます事故物件が増えたことはご存じでしょうか?

「事故物件」と聞いてイメージされるのは、自殺、殺人事件等が多いかと思います。
しかし、事件性がなくても、孤独死や自然死も「事故物件」に含まれます。

事故物件の中でも、孤独死や自然死ものを「心理的瑕疵物件」と呼びます。

国土交通省にて令和3年10月8日に策定された『人の死の告知に関するガイドライン』によると、このようないわゆる『事故物件』の告知事項は、賃貸の場合3年間と言われています。
病気や老衰による自然死であっても、ご遺体の状況や事故死と自然死の区別がつかない場合は告知義務が発生します。

コロナ禍の今、入居者様の孤独死や自然死が増加しました。

外出や帰省を自粛する動きが高まった結果、
人のつながりが途切れ、孤立し、孤独死の発生が多くなっている現状があります。
コロナ禍で発見される高齢者の孤独死の現場では、少なからず、新型コロナウイルスに感染されているという報告もあります。
こうした孤独死は新型コロナ感染症による間接的な死だと考えています。

もちろん、孤独死された物件は、特殊清掃業者に依頼して、再び人を迎え入れる準備を行います。
特殊清掃業者も、新型コロナウイルス感染症の対策で以前よりも感染症対策に力を入れて、清掃を行っています。

一方で、売買契約の場合には、いかなる内容であっても、経過期間に関わらず告知義務が発生します。

新型コロナウイルス感染症の収束がなかなか見えません。
まだ、このようなケースの心理的瑕疵物件も増える一方かと思われます。

地域コミュニティにおける活動の停止など間接的な原因は様々ですが、
孤独死を増加させているのは「高齢者と社会の接点の喪失」に他なりません。
つまりコロナ感染症の流行を受けて問題が浮き彫りになったのみであり、
高齢者の孤独死の根本的な原因は従来から変わっていません。

国会でもコロナ禍の孤独問題に言及する一幕があり、現代における孤独は社会問題のひとつです。

「訳あり物件」だとしても、社会問題などの背景が関連していることを消費者に知ってもらうことが、物件にとってもいいことではないかと考えます。

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