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2022.08.16
- 不動産物件
- 事故物件
事故が起きた場合の所有者の対応
事故が起きた場合には、所有者としてどのような対応ができるのでしょうか。
殺人の場合と自殺の場合とで見てみましょう。
殺人事件の場合
殺人事件が発生すると、その部屋だけでなく、他の入居者も一斉に退去してしまう可能性があります。
数年入居者ゼロとなる可能性もあります。 こうした事態になってしまったら、外壁の塗替え、エントランスの刷新など物件のリフォームを行い、物件名も変えることを検討し、家賃を下げて入居者を募ります。
または、収益物件として売却するか、究極的な選択としては更地にして売却する方法もあります。
全国に報道されるレベルの殺人事件であった場合は、売却するのが最も賢明な選択となる可能性が高いでしょう。
自殺の場合
自殺の場合は殺人事件の場合よりは影響は小さいと言えます。
部屋を原状回復する必要があり、当分の間はその部屋を貸すことはできません。
募集を再開する際も家賃の値下げは避けられないでしょう。
次の入居者に対しては自殺について告知義務があるというのが一般的な認識です。
自殺した借り主との契約に連帯保証人がついていれば、連帯保証人に損害賠償を請求することが可能です。
もしくは借り主の相続人に損害賠償を請求することもできます。実際に損害賠償が認められた判例もあります。
ただ、実際には悲しみに打ちひしがれる遺族に多額の損害賠償請求はしづらく、裁判に持ち込むのも時間と費用がかかります。
現実的な選択としては、契約が終了するまでは部屋を借り続けて欲しいと遺族に交渉することでしょう。
事前にしておくべき対策
殺人事件や自殺が起こる前に、所有者として事前にしておくべき対策もあります。
それが防止策のための保険加入です。
今は自殺・他殺・孤独死などに対応している火災保険があります。
保証内容は保険によって異なりますが、原状回復費用を補償し、さらに6~12カ月程度の空室補償がついている保険も見られます。 自殺も殺人も、珍しいものではありません。不動産投資をする際には、万一に備えてこうした保険にはぜひ加入しておくべきです。
また犯罪防止のための防犯カメラなどの設備も整えておきましょう。 事故や事件の発生リスクはゼロにすることはできません。
事前にその可能性を想定し、対策や対応を考えておくことはいざというときに必ず役に立ちます。
事故物件について事前に頭を整理しておくことが、最も重要な対策と言えるのではないでしょうか。