事故物件の活用方法~民泊編~

事故物件の活用方法として、「民泊事業」があります。
「民泊」とは、一般の民家や空き物件を、旅行者などに向けて貸し出す宿泊サービスのことで、日本の和を感じられるとして、外国人観光客からも人気を集めています。
観光事業と不動産事業の2つの側面から注目されるサービスである反面、トラブルが発生することもあります。
安全に運営、利用できるよう、「住宅民宿事業法(民泊新法)」でルールが定められています。

今回は、事故物件を用いて民泊事業を営む際の5つのポイントを、民泊のルールに基づいてまとめました。

(1) 人が生活できる状態であること

民泊事業を行うために必要な物件の要件は、「人が住むことができる必要最低限の設備が揃っていること」です。
そのため、事故物件であっても、「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」に不備がなく人が住める状態であれば、民泊として貸し出すことができます。

(2) 管理体制を整える

民泊として貸し出している物件を、適切に管理できる管理者が必要です。
物件のオーナーが管理に時間を割けない時は、国に登録されている「住宅宿泊管理業者」に委託することが義務付けられています。
国土交通省のウェブサイトから、登録事業者を探すことができます。

(3) 宿泊名簿を作る

宿泊者と事業者、近隣住民の安全を確保するために、宿泊名簿を備え付け、宿泊者についての記録を残すことが義務付けられています。
名簿は3年の保存義務があり、監査での提出を求められることもあります。
紙媒体、電子媒体のどちらでも構いませんので、きちんと記録しておきましょう。

(4) 立ち入りの監査を受け入れる

違法民泊を取り締まるために、抜き打ちで監査が入ることがあります。
これを拒否すると、罰則を受ける可能性もあるため、監査は受け入れ、正しく民泊運営を行いましょう。

(5) 心理的瑕疵の告知義務はない

宿泊者に対して「事故物件である」と告知する義務はありませんが、後々のトラブルを避けるためにも、あらかじめ告知しておくことがおすすめです。
ただし、売却するときや、物件を長期間貸し出す「賃貸経営」を行う際は、告知義務が発生するので注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか?事故物件を売却できずにお困りの方は、民泊事業を検討してみるのもいいかもしれません。
しかし、いくら安く宿泊できるからといって、血痕や遺体の体液のシミがある部屋に宿泊するのは利用する側としても気が進みませんよね。リフォームやリノベーションは必ず行いましょう。
また、神職の方にお祓いをしてもらい、亡くなった方を供養することで、宿泊者の心理的負担も軽くなると思います。
安心して宿泊してもらうためにも、きちんと設備と環境を整えたうえで、事故物件を有効活用しましょう。

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