孤独死が起こった部屋の原状回復やその費用の請求はどうするの?

孤独死が発生した場合、死後の日数が経過するほど,室内に異臭や汚損が残ってしまうことになります。
身元確認や遺族との協議に時間がかかる場合もありますが,清掃を放置してしまうと、異臭や汚損の増大とともに、近隣住民からの苦情、資産価値の低下などの被害も拡大するおそれがあります。

したがって、室内の清掃や汚損箇所の改修などの原状回復に係る作業は早急に実施する必要があります。
遺体の状況等にもよりますが、一般的には,特殊清掃をする必要があるでしょう。
また、当然のことですが、原状回復の作業に係る費用の見積りはしっかりとしておきましょう。

原状回復の作業の段取りと並行して、原状回復費用を相続人や連帯保証人に請求する準備をしておきましょう。
請求の際は,相続人や連帯保証人に対して見積書等を提示して、作業内容やかかる費用に納得してもらう必要があります。

相続人や連帯保証人に対して損害賠償請求はできる?

孤独死が発生した場合、
賃貸アパートの大家さんは、相続人や連帯保証人に対して不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)ができるのでしょうか?

結論としては、原則難しいと考えられます。損害賠償請求をするためには、故意又は過失があることが必要ですが、孤独死の場合、自然に死亡したこと自体には何ら故意や過失がないからです。
自殺の場合には、故意又は過失が認めることができます。
不法行為が成立する場合があるでしょう。この場合は自殺により家賃水準が下がった場合の減額分や、通常の原状回復の範囲を超える部分の費用(消臭,壁や床の総張替など)などを損害として賠償請求することができる場合があります。

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